人は、思っているほど人の話を聞いていない
言ったことも、聞き逃したことも、訳します。
通訳の仕事をしていて、よく思うことがあります。
それは、私たちは普段、自分で思っているほど相手の話を聞けていないし聞いていない、ということです。
通訳のときは、話された言葉をすべて拾う必要があります。
誰が話していても、どんな一言でも、聞き逃せません。
その「全部を聞く」モードに入ると、日常の会話がいかにラフに聞かれているかがよく分かります。
通訳ブログ
人は、自分の言葉すら忘れてしまう
不思議なことですが、人は自分がさっき話したことも意外と覚えていません。
そして、相手が言ったことも、実は100%は聞けていないことがほとんどです。
通訳モードで集中しているときと、
そうでないときの自分を比べてみると、
「あ、私も普段はかなり聞き流してるな」と気づきます。
考え事をしていたり、次に何を言おうか考えていたり、
感情が動いていたりすると、
言葉は簡単にすり抜けていきます。
だから、通訳という仕事がある
人がこれだけ言葉を聞き落とす存在だからこそ、
通訳という仕事があるのかもしれません。
その場で交わされた言葉を、
「たぶんこんな意味だよね」ではなく、
できるだけそのまま、もう一度差し出す。
あなたが言ったことを忘れてしまった部分も、
聞いているつもりで聞き逃していた言葉も、
その場にこぼれたニュアンスも、
全部ひっくるめて訳す。
それが、私が通訳としてその場にいる理由です。
